近年着々と増えている遺品整理業者。
他社と差別化するため、さまざまな特色やサービスを打ち出す業者も増えています。
利用者にとっては選択の幅が広がりますが、いいことだらけ…というわけではないんです。
業者が増えれば増えるほど、業者間でサービスや作業の質に差が出たり、トラブルが起こったりするケースも比例して多くなっています。
今日のブログでは先日聞いた遺品整理業者とのトラブルを２件ご紹介します。

高額なキャンセル料請求

被害にあったのは、70代の女性。
先日、生前整理業者に見積もりを依頼したら、快く見積もりをとって下さり、感じも良かったので是非依頼したい。と話したそうです。
後日、違う業者の方がリーズナブルに、サービスも良かったので、「違う業者に依頼することにした」と電話で言うと「契約書をもう作成したのでキャンセル料がかかります」と見積の半分のお金を請求されたそうです。
あまりに不穏に思ったので息子さんに話して、その業者に電話してもらったら早々にキャンセル料がかからなくなったそうです。
一体あの時のまくし立てるような声色はなんだったのか、というお話を聞きました。
一度契約を交わしても、事情でキャンセルせざるを得ない場合もあるでしょう。
こういった場合、キャンセル料が発生することがあります。
たとえば、宿泊施設やレストランなどを予約しても利用できなくなった場合、予約日までの時間によってキャンセル料が発生するのと同様です。
この金額には、決まった基準はなく、いつからどの程度のキャンセル料が発生するのかは一般的に事業者自身が定めています。
この基準が事業者から明確に説明されていない場合、不当と思われるような高額のキャンセル料金を請求されてしまうケースがあるのです。
必ず契約書をよく確認し、不明な点は見積もりの段階で明らかにしておきましょう。
今回の場合は契約書を作成してそれを確認する前段階でキャンセル料を請求されているので悪徳としか言えません。
さらに息子さんが電話口に立てばキャンセル料が発生しない…なんて詐欺に等しいです。
高齢の女性を狙って、詐欺のようなことをする業者もあります。

遺品の盗難

この事例は、お客様からではなく、買取業者様からのお話です。
ある買取業者様が、遺品整理業者から「査定をして欲しいものがある」と問い合わせがあったので、現金の入ったカバンを持って整理と見積もりに行ったそうです。
整理をしているうちに、置いてあった買取業者様のカバンがなくなったそうです。
その日は二人での施工だったので一緒に作業をしていた遺品整理業者しか盗難する人がいないにもかかわらず、「知らない」の一点張りで警察を呼ぶほどのことをしたのですが、「証拠がないのでどうしようもない」という結論に。
同じ業界にいる仲間だと思っていた業者にこんなことをされて・・・とショックを受けていました。
遺品は、どんなところに紛れ込んでいるかわかりません。
金利の低下で「タンス預金」をしている人も少なくなく、本当にタンスや本棚の中から現金や貴重品が見つかることがあります。
本来は、これらは全て依頼者に報告する義務があります。
それにも関わらず、こっそりと持ち帰る悪質な業者が存在しています。
これは窃盗罪にあたります。
今回被害にあったのは同じ業者の方ですが、同じ業界内で盗難をするということは依頼者様のタンス預金などがあれば持っていくでしょう。
こうした窃盗行為は、依頼者の目が届かないところで行われる傾向があるので、できる限り作業には立ち会うほうが無難です。
また、作業前に写真を撮っておくのもよいでしょう。
立ち会いを必要としないプランを打ち出している業者もありますが、事前に家族とよく話し合い、そのプランで大丈夫なのか決定しましょう。
また業者ともしっかり話してみて、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。

まとめ

遺品整理業者として仕事をしているとあちこちから同業者の悪徳行為の事例を聞きます。
一番良いのはそう言った悪徳業者が減ることなのですが、たくさんの情報を耳に入れて、お客様に発信することで少しでもお客様の被害が減少すれば幸いです。

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