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生活保護を受けている両親や兄弟の葬儀費用は誰が負担するの?
両親や兄弟など身近な人が生活保護を受けている人も少なくありません。日頃、接する機会こそ少ないものの「もし亡くなったときに誰が葬儀代の費用を払うのか?」について、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。生活保護の葬儀代について、わかりやすく解説していきたいと思います。
葬儀費用は子どもや兄弟に負担がかかる
生活保護を受けていた両親や兄弟が亡くなったとき、まず「誰が払うのか」について話し合う必要があります。葬儀費用においては誰が負担しなくてはいけないなどの明確なルールや法律が設けられているわけではありません。
葬儀で喪主になった人が負担するケースもありますし、兄弟がいれば分け合って葬儀代を負担することも考えられます。もちろんご家庭によっても経済状況が違うので、どの程度の規模の葬式にするのか、また費用面の負担の割合なども話し合う必要があります。
そもそも生活保護を受けている場合、身寄りがいない人も少なくありません。亡くなった家族のために葬儀代を支払いたいと思っていても金銭的に厳しい人もいるのではないでしょうか。葬儀を行う場合、一般的には100万円の費用がかかると言われており、その費用を負担するのは簡単なことではありません。
葬儀代においては遺族にとっても大きな負担になってしまいがちですし、トラブルの原因になることも少なくないのです。生活保護を受けている家族がいる場合、もしものときはどうするのかを事前に話し合っておくことも大切です。
生活保護受給者は葬祭扶助制度が利用できる
生活保護受給者が亡くなり、葬儀代を用意するのが難しい場合は「葬祭扶助制度」が利用できます。ただし、誰でも利用できるものではなく、葬儀を執り行う喪主が生活保護を受給しており生活に困窮している場合や、故人が生活保護者になり遺族以外は葬儀の手配をする場合に利用できます。
葬儀を行う前に、故人が亡くなった場所を管轄している自治体に申請する必要があります。福祉事務所に行き、葬祭扶助制度の申請を行います。住民票が故人と異なる場合は、申請者の住民票のある地域の役所に出向き手続きします。
役所の福祉課やケースワーカーさんに相談しつつ、故人や親族にどの程度の収入があるのか、またどの程度困窮しているのかを判断したうえで、支給額を決めていきます。大人で206,000円以内、子どもは164,800円以内となり、地域によっても違います。
葬祭扶助制度が利用できる葬儀社を、紹介してくれますので葬儀社と連絡をとりつつどこで葬儀を行うのかを決めていきます。生活保護だと、役所では葬儀社の紹介や葬祭扶助制度の案内や方法を教えてもらったあとは、基本的には葬儀社とのやりとりになります。
また、生活保護費の一部が故人の口座などに残っていた場合、葬祭費用と相殺してもいいのか、役所の方に聞かれることもあります。葬儀代だけでなくお骨をどうするのかの問題も出てくるのではないでしょうか。
お墓がなく引き取り手がいないときは、納骨堂で預かってもらうこともでき、一年経過するとお骨の一部、五年経過すると合葬など、地域によっても違いがあります。なかには今は引き取れないけど、将来的に引き取りたいと考えている人などは、この辺りの流れについても確認しておくと安心です。
葬祭扶助制度を利用するうえで覚えておくこと
葬祭扶助制度を利用するうえで覚えておくべきことがあります。
直葬になる
葬祭扶助制度を利用した場合、直葬と呼ばれる火葬のみのお葬式になります。通夜や告別式は行わず火葬場にて火葬を行います。その場合立ち会いができる人数も限定されており、2名~3名程度が一般的です。
直葬で葬儀を行うことを親族が認めてくれるのかの問題もあります。特にご高齢の方は僧侶も来ない葬儀に対して嫌がるケースもあります。この辺りもしっかりと話し合いをしておかないと「お線香ぐらいあげたかった」と言われてしまうことも。
遺品整理や退去費は別
生活保護を受給していた故人がマンションやアパートに住んでいた場合、早急に遺品整理や退去の手続きを行う必要も出てきます。ただし国や自治体がこうした費用を負担する制度は一切なく、遺族が遺品整理を行うことになります。賃貸を借りたときの連帯保証人が手続きを負担することもあります。遠方に住んでいる場合は、近くに片付けをお願いできる親族がいないかなども含め相談しておくと安心です。
遺品を受け取ると差額分のみの支給
親族がおらず、遺族以外の人が葬儀の手配を行うケースもあります。この場合、遺品から費用を受け取れる可能性もあるので、支給額は不足した分のみになります。葬祭扶助制度は葬儀会社に直接支払われるケースがあるので、直接お金が受け取れるものではありません。
まとめ
生活保護を受給している場合、葬儀代は誰が払うのかも大きな問題になってきます。急なことですし、どうしても用意するのが難しい場合は葬祭扶助制度があると覚えておくと安心です。ただし誰でも利用できる制度ではないため、福祉課に相談しつつ利用できるかどうか確認しておくようにしてくださいね。
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